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患者さんの声15:アクロメガリー広報センター:ノバルティスファーマ

頻繁に頭痛に悩まされている人がいたら、ぜひ脳の検査を受けてほしい。

佐竹 千秋(仮名)さん 30歳*
化粧品販売

*年齢はインタビュー当時のものです

Q.佐竹さんがアクロメガリーと診断された経緯をお聞かせください。

A.今から6年前の24歳のとき、目にモヤがかかったような見えにくい状態になり、眼科クリニックを受診しました。結膜炎と診断され目薬をもらったのですがまったく効かず、1週間後には眼精疲労と診断され別の薬を処方されました。でもモヤはひどくなるばかりで、まるで目にガーゼを貼ったかのような状態に。「これは絶対におかしい」ともう一度受診したところ、ようやく「視神経から来ているようだ」と大学病院の眼科を紹介されました。

大学病院で視野検査を受けると、左目の視野はほとんど欠けた状態、右目も徐々に欠けていることがわかりました。自分では“モヤ”だとばかり思っていましたが、視野狭窄だったのです。それで自分から向かって左側にいる人に気づかなかったのだと、納得しました。そしてすぐにMRI検査も受けました。すると脳に下垂体腺腫があり、その中に古い血液のたまった3cmくらいの水泡があることがわかりました。その水泡が視神経を圧迫していたらしいのです。主治医となった脳神経外科の先生から、「目の症状からアクロメガリーがわかるのはめずらしい症例です」と言われました。

Q.目の症状以外に、いわゆるアクロメガリーの代表的な症状である手足のしびれや肥大、頭痛などは出ていなかったのでしょうか?

A.診断がついた数カ月前から、実はひどい頭痛に悩まされていました。頭を少し動かしただけでも鈍器で殴られたような痛みがあり、目の裏がキューっとつままれたような痛みも。でも偏頭痛は甲状腺の腫れとともに高校生の頃からときどき起こっていたので、「いつものこと」と市販薬に頼り、それで病院に行こうとは思いませんでした。

また、診断されるまではあまり自覚していなかったのですが、後から思い起こしてみるとたまに手先がしびれ、手の平は常に汗をかいていて、横から手を見るとぷっくりした感じでした。昔より口びるが厚くなり鼻も少し大きくなり、目つきも変わっていたのですが、それらの顔つきの変化はゆっくり進行していたので当時は「元々こんな感じだったかな」くらいにしか思っていなかったのです。足のサイズは変わらなかったですね。

先生のお話では、高校時代の頭痛などがごく初期のサインだったのではないかということです。

Q.どのような治療を受けたのですか? その治療によって症状は改善しましたか?

A.私の場合、腫瘍が下垂体にへばりついているそうで、無理にすべてを切除しようとすると他の正常に機能している部分に影響が及ぶため、部分的な切除と水を抜く手術を受けました。今も腫瘍は残っていますが、その手術のおかげで狭窄だったのがウソのように視野は元通りに回復しました。視力が若干落ちたものの眼鏡をかけるほどではありません。8cmくらい肥大していたという甲状腺も手術後はすっかり腫れがひき、首周りが細くなりました。頭痛もおさまりました。

残っている腫瘍の影響をコントロールするため、術後も薬物治療を続けています。最初は飲み薬を服用して様子を見ていましたが、それでは成長ホルモンなどの数値が下がらなかったため、筋肉注射の薬に変えました。月に1回の注射を続けて3年になります。薬代がかかり、大変な面もありますが、注射に変えてからは、成長ホルモン(GH)、ソマトメジンC(IGF-1)の数値が、飲み薬のときと比べてぐっと良くなってきました。それとともに顔つきが昔に戻ってきたのが、うれしいことです。

Q.この病気で一番辛かったのはどんなことですか? それを乗り越えた今のご心境は?

A.症状としては先ほどお話したように頭痛と疲労が辛かったのと、精神的には仕事をしている中で周囲に痛みや疲れをわかってもらえなかったことが辛かったですね。化粧品販売で接客をしていても、痛みで表情は曇りがちだったと思います。「なまけている」と言われたりしたことも何度かありました。また、脳の病気だとわかったときや手術前は精神的に不安定になりました。でも家族の支えがあって、乗り越えられたように思います。

今の心境ですか。「病気になっていなければ…」というのが本音ですが、プラス志向で考える性質(たち)なので、「命に関わる病気ではないし、きちんとした治療法もあるし、良性の腫瘍で運が良かった。わりと早い段階で見つかったことも幸運だった」と思っています。今はほぼ普通に元気に生活でき、仕事も順調に続けることができ、笑顔で接客できるようになりました。今後もこの病気と仲良く生活していくしかない。そのためにはいつも体と相談をし、めまいやだるさを感じたときは無理をしないことが大切だと思っています。

Q.最後に、自分もアクロメガリーではないかと疑いをもっている方々へのアドバイスをお願いします。

A.家族から頭痛に関して「一度検査に行きなさい」と言われていたにもかかわらず、私は病院が嫌いだったので騙し騙し市販薬を飲んでいました。もしもあのとき目に症状が現れなければ、病院に行くのはもっと先延ばしにしていたでしょう。今から思うと恐ろしいことですね。初めは効いていた市販薬がだんだん効かなくなった時点で、病院に行くべきだったんです。私の場合は効きが悪いので服用頻度がどんどん増えていき、しまいには毎日3回服用しても効かなくなっていました。

自分の反省を踏まえてアドバイスできることは、もしもこれを読んでいるあなたが頻繁に頭痛に悩まされているなら、ぜひ一度脳の検査を受けてほしいということです。私もそうでしたが「頭痛が脳の病気から来ている」とはなかなか想像できないかもしれません。逆に「脳の病気だったら怖いから検査を受けたくない」という気持ちもわかります。でも「おかしいおかしい」と思っているうちにも病気は進行してしまうのですから、なるべく早く検査することをお勧めします。自分の病気の正体を知ることは勇気がいることですが、調べて何も見つからなければそれでいいのですから。ぜひ、早期発見・早期治療をしていただきたいと心から願っています。

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