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患者さんの声14:アクロメガリー広報センター:ノバルティスファーマ

患者が主体的に動く、これが患者会の方針

はむろ おとやさん 47歳

はむろ おとやさん 47歳
下垂体患者の会(下垂会)代表理事
※年齢はインタビュー当時のものです

治療歴
39歳でアクロメガリーと診断され、手術を受ける。
術後もGHのコントロールが良好にならず、翌年再手術。
41歳のときに、放射線治療(サイバーナイフ)を受ける。
現在はアクロメガリーが医療費助成制度の対象に追加されたことから、2種類の薬を併用して治療中。

情報は希望。仲間が必要。だから患者会を立ち上げた。

私がアクロメガリー(先端巨大症)だと診断されたのは2004年のことです。「脳に腫瘍がある」と聞いて、茫然自失となりました。脳腫瘍といえば悪性だとばかり思っていましたし、視力障害も出ていたので、不安ばかりが募りました。でもインターネットで集めた情報をつなぎ合わせてみると、「下垂体腫瘍は良性で、手術も安全。視力も治る可能性がある」とわかり、気持ちを切り替えることができました。

患者にとって“情報は希望”です。そこで手術が終わったら自分が情報発信する側に立とうと考え、知り合った患者仲間と共に「下垂体患者の会」を立ち上げました。闘病中、家族にさえ理解してもらえないもどかしさと孤独感を感じ、仲間を必要としていたということもあります。

会は、アクロメガリーだけでなく下垂体の病気全般の患者さんとその家族で構成されていて、患者自身が良い治療を作っていく情報交換の場、勉強の場を提供しています。

高額治療費に対して医療費助成が受けられるよう、活動。

勉強会を重ねるうちに、共通の悩みが浮上してきました。治療費の問題です。手術後も成長ホルモン(GH)のコントロールの悪い患者は、薬を使ってGHをコントロールしないと、糖尿病の悪化や心臓の肥大など、他の病気を引き起こしたり、悪化させる結果になってしまいます。アクロメガリーは慢性疾患ですから、薬物治療を行う場合は継続的に使用しなければなりません。しかし、継続使用するには治療費が高額です。そこで会では、アクロメガリーを難病患者のための医療費助成制度(特定疾患治療研究事業)に指定してもらうための活動を行いました。

まず同じ下垂体の病気、中枢性尿崩症の患者会と一緒に署名活動を行い厚生労働省に要望を提出しました。そのかたわらで患者会の仲間とともに国会議員や厚生労働省担当者の元に足を運び、当事者として実情を何度も訴えました。たとえばある人は、病気のため正社員の職につけず、時給1,000円のパートでは治療費が払えない生活の実態を切々と語りました。またある人は「薬は明日を生みだす希望だ」と訴えました。いろいろな患者仲間の生の声が国会議員を動かし、与野党の隔てなく超党派での応援を得ることができました。活動が盛り上がるにつれ、他の難病の患者会とも連携するようになり、また下垂体の専門の先生方からも熱心な協力を得られ、ついに2009年に医療費助成制度(特定疾患治療研究事業)に追加されました。

ここ2~3年の間に、長期の治療を要する患者に政治が目を向けはじめたことは大きな成果であり、感慨深いものがあります。

助成を受けるため手続きは自分で簡単に。

医療費が公費負担になり金銭面での心配から解放されるということは、身も心も自由になるということ。経済的理由から薬による治療をあきらめていた人も、純粋に医学的な見地から治療と向き合えるので、患者の皆さんにはぜひ手続きすることをお勧めします。私自身も自己負担だったときは中断していた薬物治療を再開し、現在は2種類の注射を併用して経過を観察しています。

医療費助成の手続きは、まずお近くの保健所などで書類を入手し、主治医に必要事項を記入してもらい、保健所に申請するだけ。難しいことは何もありません。ただ、医療機関が行ってくれるのではなく、自分で申請しなければいけない点だけ注意してください。

研究面での成果にも期待。

医療費助成制度(特定疾患治療研究事業)は、医療費を助成することだけが目的ではなく、医療費を助成して受診を促すことによってデータを蓄積し、今の診断基準や治療指針を見直すという目的もあります。

全ての人に合う治療というのはありません。薬が効きやすい人と効きにくい人、副作用が出る人と出ない人など、非常に個人差が大きいため、研究が進み、治療方法がさらに確立されることが待たれます。幸いにも研究班の先生方は患者を救う熱意にあふれる方々ばかりですから、その研究の推移を見守りたいと思います。

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