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患者さんの声9:アクロメガリー広報センター:ノバルティスファーマ

病気を通じて、幸せを感じる意識が強くなりました。

青野 由華さん 48歳

青野 由華さん 48歳※年齢はインタビュー当時のものです

治療歴
33歳ごろから微熱、頭痛、発汗、むくみ、だるさなどさまざまな不調・変化に悩まされ続ける。
45歳のときCT検査で下垂体腫瘍が見つかり、アクロメガリーと診断。手術を受ける。
術後、腫瘍の一部が残ってしまったため、GHコントロールのための薬物治療を開始。また合併症治療のためのホルモン補充療法もあわせて開始。
現在も薬による治療を継続し、GHはコントロール良好。合併症の症状は残っているため、ホルモン補充療法を継続している。

ホルモンと脳との関連性を知ってさえいれば…。

術前のホルモン検査ではインスリン様成長因子-1(IGF-1)の値が基準範囲より相当高く、腫瘍は5cmとかなり大きかったそうです。手術は成功し腫瘍の95%は取ることができましたが、完治という状態ではありませんでした。IGF-1値に関しては一度下がったものの、術後1ヵ月にはまた上がってしまいなかなか安定しません。そこで、薬による治療をはじめました。

当時はGHの分泌を抑えるタイプの薬を使用していましたが、病状に合わず、残念ながらコントロールが良好な状態にはなりませんでした。

次の治療の選択肢として再手術か放射線治療かで迷っていた頃、GHのはたらきを阻害するタイプの自己注射薬が承認されたので試してみることに。すると、毎日の自己注射で、IGF-1値も基準範囲内を保てるようになりました。

ただ、体調は元に戻ったとは言い難く、いまだに疲れもたまりやすく昼寝をしないと午後の仕事ができないような状況です。また、合併症である副腎不全、甲状腺機能低下の症状も残っているので、その治療として、ホルモン補充療法も継続して行っています。

でも薬で何とか生活ができることに感謝しています。薬は私にとって命をつないでくれている大切な存在。さらなる研究開発が進むことを願っています。

薬は命をつなぐ存在。さらなる研究開発を願う。

勉強会を重ねるうちに、共通の悩みが浮上してきました。治療費の問題です。手術後も成長ホルモン(GH)のコントロールの悪い患者は、薬を使ってGHをコントロールしないと、糖尿病の悪化や心臓の肥大など、他の病気を引き起こしたり、悪化させる結果になってしまいます。アクロメガリーは慢性疾患ですから、薬物治療を行う場合は継続的に使用しなければなりません。しかし、継続使用するには治療費が高額です。そこで会では、アクロメガリーを難病患者のための医療費助成制度(特定疾患治療研究事業)に指定してもらうための活動を行いました。

まず同じ下垂体の病気、中枢性尿崩症の患者会と一緒に署名活動を行い厚生労働省に要望を提出しました。そのかたわらで患者会の仲間とともに国会議員や厚生労働省担当者の元に足を運び、当事者として実情を何度も訴えました。たとえばある人は、病気のため正社員の職につけず、時給1,000円のパートでは治療費が払えない生活の実態を切々と語りました。またある人は「薬は明日を生みだす希望だ」と訴えました。いろいろな患者仲間の生の声が国会議員を動かし、与野党の隔てなく超党派での応援を得ることができました。活動が盛り上がるにつれ、他の難病の患者会とも連携するようになり、また下垂体の専門の先生方からも熱心な協力を得られ、ついに2009年に医療費助成制度(特定疾患治療研究事業)に追加されました。

ここ2~3年の間に、長期の治療を要する患者に政治が目を向けはじめたことは大きな成果であり、感慨深いものがあります。

病気であきらめたこと、病気で得たこと。

この半生を振り返ると、病気のためにあきらめざるを得ないことが幾つもあったのは確かです。

34歳のとき運よく出産はできたものの、その後の体調不良で子育てにあまり関わってあげられませんでした。最近の出来事では、仕事で魅力のあるオファーが来たのですが、勤務地が海外だったので医療保険の関係上断らざるを得ませんでした。ただこうしたことを差し引いても、病気によって得たものは大きいです。毎日を大切にするようになり、人との出会いや美味しいものとの出会いなど幸せを感じる意識が強くなりました。

周囲に対する感謝の気持ちも深まりました。子育てを祖父母に任せてしまった日々を取り返すためにも、今、私が一生懸命生きている姿を子供に見てもらいたいと思っています。一生懸命働き、世の中に貢献することで自分が生きている証にしたい、そんな気持ちで、毎日を過ごしています。

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