FAQ(アクロメガリーに関するよくあるご質問)

ここから本文です。

みなさまからの質問について、お答えします。

回答:山王クリニック 山王 直子 先生
アクロメガリーに関するもの 症状に関するもの 検査・診断に関するもの
治療に関するもの アクロメガリー広報センターに関するもの

アクロメガリーに関するもの

  • アクロメガリーとは、脳下垂体にできた良性の腫瘍により成長ホルモン(GH)が過剰に分泌されることによって起こる慢性の進行性の病気です。なお、アクロメガリーと診断されている年齢は20~60歳が多く、男女差はありません。
    また、子どものときに発症することはまれですが、その場合は、アクロメガリーとは区別され、巨人症となります。
    詳しくは「アクロメガリーってどんな病気?」をご参照ください。
  • アクロメガリーの症状は大きくわけて3つあり、①脳下垂体から過剰に分泌された成長ホルモン(GH)によって起こる症状と、②脳下垂体にできた腫瘍が脳内を圧迫することで起こる症状、③他のホルモン分泌に影響することで起こる症状があります。
    ①過剰な成長ホルモン(GH)による症状としては、手足が大きくなる、額やあごが出てくる、唇が厚くなるなどが挙げられます。②腫瘍の圧迫による症状としては、頭痛や頭痛感、視力が低下する、視野が狭くなるなどの症状が挙げられます。③他のホルモン分泌への影響による症状としては、月経不順や無月経、勃起不全、性欲低下などがあります。
    また、長期にわたって、成長ホルモン(GH)の過剰分泌が続いた場合、糖尿病、高血圧症、高脂血症などの合併症を併発する可能性が高くなります。
    詳しくは「アクロメガリーになると、どうなるの?」をご参照ください。
  • アクロメガリーの専門医は、内分泌内科か脳神経外科になりますが、診断のための血液検査はお近くの内科でも受けることができます。また、かかりつけの医師がいる場合は、まずそちらに相談してください。
  • アクロメガリーの治療は大きくわけて、手術療法、薬物療法、放射線療法の3種類があります。
    アクロメガリー治療では、まず第1選択として脳下垂体腫瘍そのものを除去することを目的として手術を行います。
    手術によっても腫瘍が取りきれず、アクロメガリーの症状のコントロールが不十分な場合には薬物療法がおこなわれます。また、手術ができない場合や患者さんの希望によっては、薬物療法が治療の中心になることもあります。薬物療法については、1つの薬剤でコントロールが不十分な場合には、薬剤の追加または変更が考慮されます。
    さらに、薬物療法でもアクロメガリーの症状のコントロールが不十分な場合には、放射線療法、もしくは再手術が検討されるという流れになっています。
    詳しくは「アクロメガリーの治療方法」をご参照ください。
  • 脳の下側の中心部で、ちょうど鼻の裏側(奥)にあたる部分にぶらさがっています。大きさは、小指の先ほどの豆粒大です。
    詳しくは「脳下垂体って何?」をご参照ください。
  • 大部分は良性の腫瘍です。成長もゆっくりで、脳以外の臓器に転移することはきわめて稀です。
  • 成長ホルモン(GH)のほかに、プロラクチン、甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、性腺刺激ホルモン、抗利尿ホルモン、子宮収縮ホルモンなどが分泌されています。
  • 下垂体腫瘍は、ホルモンを過剰に分泌するタイプと分泌しないタイプに大きく分けられます。ホルモンを過剰に分泌するタイプには、成長ホルモン(GH)を分泌する成長ホルモン産生腫瘍(アクロメガリーや巨人症)、プロラクチンを分泌するプロラクチン産生腫瘍(プロラクチノーマ)、副腎皮質刺激ホルモンを分泌する副腎皮質刺激ホルモン産生腫瘍などがあります。

症状に関するもの

  • アクロメガリーの症状は大きくわけて3つあり、①脳下垂体から過剰に分泌された成長ホルモン(GH)によって起こる症状と、②脳下垂体にできた腫瘍が脳内を圧迫することで起こる症状、③他のホルモン分泌に影響することで起こる症状があります。
    ①過剰な成長ホルモン(GH)による症状としては、手足が大きくなる、額やあごが出てくる、唇が厚くなるなどが挙げられます。②腫瘍の圧迫による症状としては、頭痛や頭痛感、視力が低下する、視野が狭くなるなどの症状が挙げられます。③他のホルモン分泌への影響による症状としては、月経不順や無月経、勃起不全、性欲低下などがあります。
    また、長期にわたって、成長ホルモン(GH)の過剰分泌が続いた場合、糖尿病、高血圧症、高脂血症などの合併症を併発する可能性が高くなります。
    詳しくは「アクロメガリーになると、どうなるの?」をご参照ください。
  • 成長ホルモン(GH)を分泌する成長ホルモン産生腫瘍の場合、骨の発育が停止し、大人になってから発症した場合には、指が太くなったり、靴のサイズが大きくなる、あるいは額やあごが出たり、鼻や舌が大きくなるアクロメガリー特有の症状がみられます。また、骨の発育が止まる前に発症すると身長や手足が異常に伸びてしまい、いわゆる巨人症になります。
    詳しくは「アクロメガリーになると、どうなるの?」をご参照ください。
  • 過剰な成長ホルモン(GH)の影響で、前頭骨(ぜんとうこつ)(おでこの骨)が異常に発達するためです。
  • 過剰な成長ホルモン(GH)の影響で、関節の組織が肥大し、指が太くなってしまうからです。また、そのため、これまでつけていた指輪が抜けなくなることもあります。
  • 過剰な成長ホルモン(GH)の影響で、足のかかと部分の軟らかい組織が異常に発達するためです。そのため、靴のサイズが合わなくなることもあります。
  • 過剰な成長ホルモン(GH)の影響で、体の代謝が亢進するためです。したがって、成長ホルモン(GH)の値が正常に回復すれば多汗は解消します。
  • 大きくなった下垂体腫瘍が、下垂体周囲の硬(こう)膜(まく)(脳と脊髄を覆う3層の髄膜のうちの1番外にある膜)を圧迫しているからです。
  • 過剰な成長ホルモン(GH)の影響で、骨や軟骨の変形、軟らかい組織の肥厚により、神経を圧迫するからです。
  • 過剰な成長ホルモン(GH)の影響で、舌が大きくなり、軟(なん)口蓋(こうがい)(口の奥の上側の、のどに近い部分)が厚みをますため、空気の通り道である気道が狭くなるからです。睡眠時無呼吸症候群が一般の方よりもよくみられます。
  • アクロメガリーの症状で無気力・ノイローゼということは通常は考えられません。下垂体腫瘍の影響で、全般に下垂体ホルモンの分泌が低下し、疲れやすくなったり、抵抗力が低下したりする場合がありますが、通常一過性で、必要に応じて、副腎皮質ホルモン・甲状腺ホルモンなどを補充することで、一般の方と全く変わらない生活を送ることができます。ただ、個々人により精神的に大きな影響を受けていることも考えられますので、内分泌内科でホルモンの不足がないかどうか検査を受け、異常がなければ、メンタルクリニック・心療内科などでカウンセリングを受けられると宜しいと思います。

検査・診断に関するもの

  • アクロメガリーの専門医は、脳神経外科と内分泌内科になりますが、診断のための血液検査はお近くの内科でも受けることができます。また、かかりつけの医師がいる場合は、まずそちらに相談してください。
  • まずは手足の大きさ、舌の大きさ、顔つきなど十分に問診・診察を行って身体に特別な変化がないかどうかを診ていき、血液検査で、成長ホルモン(GH)、インスリン様成長因子-1(IGF-1)の値を測定します。そして、少しでもアクロメガリーが疑われる場合には、MRI、CTなどの検査を行い、腫瘍の有無を判断します。症状や検査の結果からアクロメガリーかどうかの診断をします。
  • 頭痛がしないか、視力が以前より低下していないか、汗をかきやすくなっていないか、最近靴のサイズが大きくなったりしてはいないか、顔つきの変化はないか、月経は順調か、性機能の低下はないかなどが質問されます。また、糖尿病、高血圧、高脂血症などがないかどうか、整形外科にかかっていないかなども聞かれます。
  • 例えば、眼科では視力低下のことだけ、婦人科では月経異常のことだけの相談をした場合、アクロメガリーはまれな病気のため、すぐにその病名が疑われることはなかなかありません。治療しても改善せず、アクロメガリー特有の症状が複数ある場合には、専門医の検査を受けるか、かかりつけの医師への相談をおすすめします。
  • 血液の中の成長ホルモン(GH)や、成長ホルモン(GH)の作用によって作られるインスリン様成長因子-1(IGF-1)という物資の量がわかります。また、下垂体から分泌されるその他のホルモンの量などもわかります。その結果はアクロメガリーの診断材料の1つとなります。また、アクロメガリーと診断された後には、治療をしながら血液検査によって病気がコントロールされているかどうかを診ます。
  • 成長ホルモン(GH)は健康な人でも分泌されていますので、成長ホルモン(GH)の1回の測定値からアクロメガリーであるかどうかを判断するのが難しい場合もあります。このため、75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)と呼ばれる、健康な人とアクロメガリーの患者さんの成長ホルモン(GH)の分泌動態の違いを利用した負荷試験を行います。健康な人ではブドウ糖により成長ホルモン(GH)の分泌が抑えられますが、アクロメガリーの患者さんでは抑えられません。この特長を利用した負荷試験を、アクロメガリーの診断手段の1つとして実施します。また、健康な人ではみられない成長ホルモン(GH)の分泌反応(これを奇異(きい)反応といいます)をみるために、GRH(成長ホルモン放出ホルモン)、CRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)、TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)、LHRH(黄体形成ホルモン放出ホルモン)を投与して、下垂体の機能を調べる検査もあります。いずれも、特に苦痛を伴うものではなく、重大な症状が残ることもまずありません。
  • これらの検査では痛みなどを伴うことはありません。
  • だいたい30分~1時間以内で終わります。

治療に関するもの

  • アクロメガリーの治療は大きくわけて、手術療法、薬物療法、放射線療法の3種類があります。
    アクロメガリー治療では、まず第1選択として脳下垂体腫瘍そのものを除去することを目的として手術を行います。
    手術によっても腫瘍が取りきれず、アクロメガリーの症状のコントロールが不十分な場合には薬物療法がおこなわれます。また、手術ができない場合や患者さんの希望によっては、薬物療法が治療の中心になることもあります。薬物療法については、1つの薬剤でコントロールが不十分な場合には、薬剤の追加または変更が考慮されます。
    さらに、薬物療法でもアクロメガリーの症状のコントロールが不十分な場合には、放射線療法、もしくは再手術が検討されるという流れになっています。
    詳しくは「アクロメガリーの治療方法」をご参照ください。
  • 通常、鼻や上唇のうらの歯ぐきから特殊な器具を挿入して腫瘍を切り取る方法が行われます。この方法は1960年代から行われており、手術手技は確立されていますので、ほぼ安全に行うことができ、また手術時には全身麻酔を使用しますので痛いということはありません。腫瘍の進展方向によっては開頭手術を選択することもあります。
    詳しくは「アクロメガリーの診断・検査方法」をご参照ください。
  • 薬物療法や放射線療法などがあります。薬物療法は、過剰な成長ホルモン(GH)の分泌やインスリン様成長因子-1(IGF-1)をコントロールしたり、アクロメガリー特有の症状を抑える目的で行います。また、放射線療法は、腫瘍がそれ以上大きくならないように行います。薬物療法と放射線療法を組み合わせて治療を行うこともあります。
  • 入院期間は、施設によって異なりますが、およそ3~20日間です。入院の際に必要な費用は、通常、薬剤費、手術技術料、照射技術料、検査費用などの診療費、食事療養費、部屋代(部屋の種類によって差額ベッド代の負担があります)などです。なお、医療費の自己負担は小学生以上70歳未満で3割、70歳~75歳未満で2割(一定以上所得者は3割)、75歳以上で1割(一定以上所得者は3割)となっていますが、アクロメガリーは「特定疾患治療研究事業」という医療費助成制度の対象疾患に認定されていますので、自己負担分の一部を、国と都道府県が公費として助成しています。助成制度を利用する場合には、申請が必要となります。
    詳しくは「医療費助成制度(特定疾患治療研究事業)について」をご参照ください。
  • 仕事の内容や職場の環境にもよりますが、だいたい4~6週間はかかります。いずれにしろ、職場に復帰した後も、定期的な検査を継続して行う必要があります。
  • 手術によっても成長ホルモン(GH)や、インスリン様成長因子-1(IGF-1)が抑えられない場合や、発汗、頭痛などの症状が良くならない場合には、薬物療法などの治療を行います。
    治療の期間は数年~十数年に及ぶこともありますが、治療を継続してこそ、成長ホルモン(GH)、インスリン様成長因子-1(IGF-1)の改善、腫瘍の縮小がより期待できます。成長ホルモン(GH)値が安定すれば、症状の改善が期待できるとともに、糖尿病や高血圧などの合併症の抑制も期待できます。
    また、アクロメガリーの原因である脳下垂体腫瘍は良性ですが、まれに再発することもあります。再発を見逃さないためにも、術後1年以内は3~4ヶ月に1回の血液検査と年に1回の画像診断を受けることが大切です。
  • 手術で腫瘍が取り除かれて、視神経が圧迫されないようになれば、多くの患者さんは改善がみられます。ただし、視神経の機能がもとに戻らないほど長期間・強く圧迫されている場合には、視力はもとに戻らないこともあります。そのためにも、早期発見・早期治療が大切です。
  • 手術ができない場合や、手術後、成長ホルモン(GH)値や、インスリン様成長因子-1(IGF-1)値、あるいは臨床症状(発汗、頭痛など)のコントロールが不良である場合、または手術で完全に腫瘍が取りきれなかった場合に行います。現在、アクロメガリーの治療には、注射剤のオクトレオチド・ペグビソマントや経口薬のドパミン作動薬(ブロモクリプチンなど)などが使用されています。オクトレオチドの主な副作用には、注射部の痛み、吐き気・嘔吐、胃部不快感、下痢、胆石症などがあります。また、ドパミン作動薬の主な副作用には、吐き気・嘔吐、便秘、胃部不快感などがあります。
  • 手術や薬物療法でもコントロールが不十分な場合には、放射線療法が考慮されます。ガンマナイフは、放射線であるガンマ(γ)線を腫瘍部位に集中的に照射する方法のため、腫瘍の位置がはっきりとわかっていて、かつ周囲に広がっていない場合に行います。副作用として、耳の前の部分の頭髪が抜けることがあります。
    また、エックス(X)線を照射するサイバーナイフという放射線療法もあります。
  • 手術後や薬物療法中に、血液の中の成長ホルモン(GH)値が十分に抑制されているかどうか、およびインスリン様成長因子-1(IGF-1)値が基準範囲内(年齢、性別により異なる)になったかどうか、また、発汗、頭痛などの臨床症状が消失したか否かをもとに判定します。
  • 前頭部や下あごの突出というような骨に伴う顔の変化はもとには戻りません。しかし、かかとの高さや指の太さはもとに戻りますので、靴や指輪がゆるくなったりします。

アクロメガリー広報センターに関するもの

  • アクロメガリーは希少疾病であるがために、一般の方々にはあまりよく知られていません。また、この疾患を専門とする医師以外の他科の診療医師の疾患に対する認識がまだ高くないため、その発見が困難です。広報センターは、一般の方々や一次診療医師をはじめとした医療関係者の皆様に、アクロメガリーに関する正しい情報を提供し、疾患の早期発見、早期治療の大切さを伝えるとともに、患者さんのQOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上に貢献したいと考えています。
  • 報道関係者の皆様を対象としたプレスセミナーのほか、Webサイトや小冊子を通じた情報発信を行っています。また、学会や地方自治体と連携しながら小冊子の配布や、一次診療医師向け資料の配布など、さまざまな活動を行っております。
 
















小冊子プレゼント アクロメガリー(先端巨大症)について、わかりやすく解説した小冊子をご希望の方にお送りします。 プレゼント応募はこちらから お気軽にお問い合せください お問合わせはこちらから